三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

『ペイ・フォワード』〜アメリカンあるある早く言いたい〜

 アメリカンなセリフに憧れる。

 昔、女の子と『ペイ・フォワード』を観ていたときに、登場人物の男が女性の自殺を止めるシーンがあった。

「命を大切にしろよ」だとか、「残されたひとのことを考えろ」などが凡例だが、男は彼女に、

 「コーヒー、飲みに行きませんか」といった。  僕は、アメリカンだなぁ、と呟いた。

 それからというもの、アメリカンなセリフに私のアンテナが反応するようになった。

 「俺は吐いた唾は飲まねぇ、でもピーナッツバターが塗ってあったら別さ」とか、そういうものに。

 そして最近、それはエスカレートし、私自身がアメリカンなセリフを言いたくなってきた。

 でも、アメリカンなセリフはとても難しいのだ。

ーーある雨の日、窓際の席で、女の子と食事をとっていた。

「ねぇ」と女の子が話しかけてくる。

「ねぇ外を見て」

「ん?」と私

「ねぇ、どうしてあのひと傘をさしてないのかしら、こんな雨の中、手に傘を持っているのに」

「きっと前世が砂漠だったんだよ」

 私は心の中でだけそう呟く。

 でも言えない。どうしても、言えないーー。

 

ペイ・フォワード』映画