三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

『がらくた』〜気まずい瞬間ベスト3〜

昔からこっそり楽しんでいる趣味がある。

言葉の意味に適切な出来事をランキングすることだ。たとえば「気まずい」。

 最近、「気まずい」瞬間ベスト3が決まった。

 ①男女数人で男友達の家に行った時のこと。ある男がトイレに立った。

 しばらく話していると、トイレからジョボボボボーという音がした。明らかにタッション(立ちしょんべん)しているおとだ。せめて女の子のあるときは座ってしてくれ。まだ10代だった私は気の利いたことを言えず、大変に気まずい思いをした。

②女の子と戦争映画を観に行った時のこと。なかなかに引き込まれる内容だったので、身を乗り出して見ていたら唐突にセックスシーンに突入した。変に反応して身を引くのも変で、結局私はずっと身を乗り出しっぱなしだった。

 ③とってもスポーティな女の子の家に、男女7人で遊びに行った。恋愛や美容に全く興味を持っていなさそうなその女の子の家には、女子を感じさせるものはほとんどなく、世界地図や恐竜の化石といった、男子が好きそうなものばかりだった。

 唯一、若者向けの女性誌が1冊だけあった。その子がお茶を用意しに部屋を留守にしているあいだ、何の気なしにみんなでその雑誌をパラパラ読んでいた。

 美乳になりたいあなたへ、というコーナーが切り取られていた。私たちが凍りついていると、女の子がお茶を持って部屋に戻ってきた‥‥‥

 うん。どれも「気まずい」を辞書で引いたら出てきても不思議じゃないシュチュエーションばかりだなぁ。

 最後にひとつ、小説『がらくた』のラストであんなことがあったあとに、もしミミと柊子が出会うシーンが描かれていたとしたら、そりゃあとても気まずかったろうなぁ。

 

『がらくた』江國香織/著