三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

【おすすめ映画 番外編①】狙われた街

 もしあなたが、学校や会社をめちゃくちゃにしたいと思ったらどのような方法を取るだろうか。

 暴力を振るう? 家族のような少数なら壊せるかもしれない。でも、何百何千といる場所で暴力を振るっても、圧倒的多数の前では逆に弾き飛ばされる。1人の直接的な暴力では、学校や会社、そして「社会」はめちゃくちゃにできない。一番効果的なのは“人間の信頼関係を崩壊させることだ”。ある宇宙人はそう考えた。

 1960年代、日本。その宇宙人はある街からひっそりと始めた。タバコの中に人を憎み疑心を煽る成分を含ませ、吸った人間に「人を壊す殺意(悪意)」を植え付ける。そして人類が自滅していくのをしずかに見守る方法を選んだ。

 この作品が実際に作られた50年前は、喫煙者が今では考えられないほど多かったらしい。

「暴走するタクシー」「列車の衝突事故」「墜落した旅客機」。緩やかに日常が崩壊していく。

 次々に起こる“はかられた偶然”を追っていた刑事と主人公は、やがて一連の事件・事故にはタバコが関係していると気づく。

 突き止めたアジトは、何の変哲もないボロアパートの一室だった。その宇宙人は抵抗するそぶりを見せず、主人公とちゃぶ台を挟んで座る。そして語り始める。

「実験は成功したのさ。地球を破滅させるのに暴力をふるう必要はない。人間同士の信頼感をなくせばよい。人間たちは互いに敵視し傷つけあい、やがて自滅していく」

 ――その後、どのようなラストになったのかは観て頂ければわかるのだが、最後はこのようなナレーションで終わる。

「人間同士の信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。でもご安心ください。この話は遠い遠い未来の話なのです。え、何故ですって? 我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼してはいませんから……」

 この作品は1967年に作られた。40年後、続編『狙われない街』が放送される。

 超有名作品を、さも自分しか知らない風に紹介してみた。しかも映画ですらない。これは『ウルトラ(マン)セブン』だ。詳しい人には「正確じゃないぞ、このにわかが!」と叩かれるかもしれないが、どのようなきっかけであれ「知ってもらう」のはいいことなのではないだろうか。と、それっぽい逃げ道は作っておく。

 

『狙われた街』1967年放送の『ウルトラセブン』第8話より