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三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

薄毛救済作戦

「あいつは俺の薄毛くらい頼りないからなぁ」

 父がまたハゲをネタにした。定期的に冗談に織り交ぜてくるが、その実とても気にしていることは家族全員が知っている。

 私に言わせれば父は薄毛ではない。

 ハゲかけてもいないし、ハゲてもいない。「ハゲ終わっている」。これだけハゲを連呼することが人生であっただろうか。まぁ「父の」ハゲ話はこのくらいにして、本題に入ろう。

 私もハゲた。

 私の家系は代々、頭に剃りこみがある。だからハゲがちょっと気になっても「これは剃りこみだから」と自分と相手を信じるさせることができていた。しかし最近、剃りこみが過ぎる。もう騙せない。私がハゲ隠しの魔法と思っていた剃りこみは隠れ蓑ではなかった、ただのハゲ素質だったのだ。2センチ剃りこみがあれば、その分ハゲのスタートダッシュが早いだけの話だった。祖父は、父が物心ついた時からハゲ終わっていたと聞く。もう後戻りはできない。

 一週間、ハゲついて徹底的に調べた。ハゲに効く食事、育毛剤、運動方法……などなど。知れば知るほど奥が深く、私はのめり込み、ハゲを恥じた。

 だが、ふと疑問を抱いた。ハゲた俺が悪いのかと。そして思った。ハゲは罪ではないでしょうにと。なぜかこの日本では、ハゲは恥ずかしいとされている。江戸時代のちょんまげはファッションだったのに。私たちは自分たちが作った常識のようなものに支配されているのだ。

 世間の意見は無視しない。私は私で薄毛対策はする。しかし、あなたはあなたで「ハゲ=ダメ」に対して少し疑問を抱いてほしい。私はハゲる代わりに世界を変えるつもりだ。お互いの努力があって初めて世界は変わる。

みんなで、ハゲを、救済しよう。

 もしもハゲ完了したら、「得する薄毛 損する薄毛」の特集を組むつもりだ。その頃には――残された時間はわずかだが――世界がいい方向に向かっていることを信じる。

 

 時の移ろい、大樹の躍動、諸行無常。全てものは変化し続ける。ハゲの話でした。


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