三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

『メメント』忘れなければ、それは起こらなかった

皆さんは昨日の夜10時に何をしていたか覚えていますか。

 3日前の晩御飯は。2年前の今日は何がありましたか。

 人生はもう覚えてもいない出来事の連続でできています。もしかしたらほんの些細な出来事があなたの人生を決定的に――あるいは致命的に――変えてしまっているかもしれません。でも覚えていない。人は「忘れる」生き物なのです。

 この映画は10分しか記憶が持たない男の復讐劇。

 観た人の言葉を拝借すると「妻を殺された男がテディという相棒と犯人を捜すサスペンス映画。男は記憶障害を克服するため些細な出来事はメモに重要な出来事は体に刺青を彫ることで、10分後の自分にメッセージを残しながら犯人を追いつめたが……」です。

 冒頭10分、男が何故か相棒のテディを殺します。理由はわかりません。そこから10分ずつストーリーは逆行していきます。最初に結末を出して10分ずつ時が戻っていくのです。

 何故テディは殺されなければならなかったのか、男が「忘れた」ものは何なのか、そもそも妻は本当に存在したのか。

 さかのぼるごとに新たな疑問がどんどん出てきますが、10分ごとに1つ真実が明かされるスタイルなのでイライラしません。そして2時間で全て解決します。これだけあっという間に時間が過ぎたのは初めてです。感覚的には2秒です。

 この映画に教訓はありません。ただただ圧倒的に面白いだけです。次の10分が気になってしかたがない、とてつもなくのめり込む2時間を保証します。

 おすすめは休みの前日に一人で観ることです。翌日仕事だと余韻が収まらず仕事に手が付きません。そして誰かに紹介してください。反応がとても面白いことでしょう。

 一言でいえば、とびっきり贅沢な暇つぶしです。

 

メメント』2000年公開のアメリカ映画