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三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

『レヴォリューションNO.3』〜読書男子はモテるのか〜

昨今、読書男子なるものがモテるらしい。ただしイケメンに限る、という但し書き抜きで。それがもし本当なら大変なチャンスだ。本が好き過ぎて、司書になったのだから。私は早速、グーグルで「読書男子 モテる」と検索した(検索する時点でモテないよ、という…

『斜陽(しゃよう)』

ーー私の恋をしている人の身のまわりの雰囲気に、私の匂いがみじんも染み込んでいないーー とは、太宰治の『斜陽』のさして有名でもない一文だが、大抵の場合、人はそれぞれに誰かの匂い(影響)を体に染み込ませているように思う。 「影響」という言葉のも…

『女のいない男たち』~ドライブ・マイ・カー~

国道を一台の車が走っている。2007年式の4WD。辺りはもうすっかり夜だ。男と女が乗っていた。女はクラシックに耳を傾けている。男は、男の顔面は蒼白で、冬だというのにびっしり汗をかいていた――私だ。私はとにかく焦っていた。 女の子との食事の帰り…

『人のセックスを笑うな』

セクハラが嫌いだ。犯罪のなかで最も嫌悪していると言っても過言ではない。理由は(誰も俺のセクハラ論など知りたくないだろうから)書かないが、私は働くうえで常にセクハラしないよう意識している。女性から触られるのは良しとしている、念のため。 その前提…

『もしもし、運命の人ですか。』

あなたはどういう時に「この人運命の人だ」と感じますか? と聞かれたら、穂村弘のエッセイを思い出す。 それは穂村さんが女性と住宅街を歩いていると、 不意に女性が頭上の樹を見上げ「ここ昔、森だった?」とつぶやく、というものだ。 穂村さんも、「あん…

勇敢すぎた男

彼と出会ったのは10年以上前のことだ。17歳、私は高校3年生だった。部活動で顔は黒々と光り、ひげはまだ生えていなかった。 その男は男子トイレにいた。正確にはトイレの鏡の中に。私が手を洗い、ふと鏡を見ると、喉仏の隣から一本の毛が生えていた。 …

『昔日の客』

その日、僕はいつものように喫茶店でディカフェを飲んでいた。 ディカフェとはコーヒーからカフェインを抜いたもので、週2で喫茶店に通っている僕は、店員さんから「ディカフェ野郎」と親しまれていると信じている。 さて「ディカフェ野郎」こと私は、古本…

薄毛救済作戦

「あいつは俺の薄毛くらい頼りないからなぁ」 父がまたハゲをネタにした。定期的に冗談に織り交ぜてくるが、その実とても気にしていることは家族全員が知っている。 私に言わせれば父は薄毛ではない。 ハゲかけてもいないし、ハゲてもいない。「ハゲ終わって…

『論理哲学論考』〜一期一会について〜

ホテルで働いているころ、言語学者で思想家でもあるノーム・チョムスキーの息子で、自身もマサチューセッチュ工科大学の教授であるおっさんと話す機会があった。 とはいっても、その胡散臭いおっさんがそう言っただけで、本当のところはわからない ――彼は地…

【おすすめ映画①】忘れなければ、それは起こらなかった

皆さんは昨日の夜10時に何をしていたか覚えていますか。 3日前の晩御飯は。2年前の今日は何がありましたか。 人生はもう覚えてもいない出来事の連続でできています。もしかしたらほんの些細な出来事があなたの人生を決定的に――あるいは致命的に――変えて…

モテるためには、全てを武器にせよ

バーで外国人に口説かれたとき、正直「またか」と思った。 カタコト会話のあと、ぼそっと何かを言われた。周りが騒がしかったので顔を近づけると、耳元で「一緒に、裸で」と言われたのだ。 英国陸軍少尉に「あなたはとても美しい」とささやかれたこともある…

モテ男になろう

「モテ男」になるのは難しい。 先日、女性に「これ開けて」と菓子袋を渡された。私はこっそり手汗を拭き、何とか袋をこじ開ける。冷や汗をかいた。 あるいはこんなこともあった。 私は致命的に方向オンチで、女の子を助手席に乗せるときそれを伝えている。彼…