三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

『怪物はささやく』~究極の心理テスト~

あるとき女の子からこんな心理テストをされた。 「ねぇ、好きな女の子の条件を三つ答えてみて」 私は少し考えてこう答える。 「優しい人。センスがいい人。最後の3つ目は散歩が好きな人かな」 「じゃあさ、もし4つ目があるとしたら何になる?」 私はしばらく…

『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子と出会うことについて』と『人間失格』

四月のある晴れた朝、勤め先の事務所で女の子に「たかしさんはどんなセックスをするんですか」と唐突に聞かれた。 大して綺麗な女の子ではない。素敵な服を着ているわけでもない。というかほとんど話したこともない。彼女が入って4か月は経っていたのに挨拶…

『本日は大安なり』~お互い独身だったら結婚しようよ~

○○歳までにお互い独身だったら結婚しよ、というのは鉄板である。 私もいままで何人かの女の子とそういう話になったことがある。ただ、(私の周りの女の子だけかもしれないが)そう言ってきた子は約束の歳になる前に必ず結婚してしまうのだ。 悔しい。私は未…

『女たちは二度遊ぶ』~時差ボケの女~

真夜中に女の子から電話がかかってきた。 眠かったし、夜中の電話でいい内容だった試しはないから迷ったのだけれど、吉田修一の『女たちは二度遊ぶ』を読んだ直後でもんもんしてたので、電話を取った。 「もしもし」と女の子。そこから10分ばかし、女の子…

『ロマンス』〜第5回 スタパで恋は生まれるのか~

おそろしく愛想のいい女だった。私は27で、女は22歳。女とは週に一回ほど会う間柄だった。というかまぁ、なんだ。スタバの店員さんと客の関係だ。ただのね。 その愛想のいい女の子はとても気さくで、お客さん一人ひとりに一言声をかけたり、笑顔を一瞬も絶や…

『レ・ミゼラブル』~図書館の神様~

『レ・ミゼラブル』という物語のなかに、とても不幸な母娘が登場する。 母親であるファンティーヌは、公園の椅子に座っていた水知らずの優しそうなおかみさんに娘コゼットを預け出稼ぎに出掛けた。 コゼットの洋服代や薬代をおかみさんに再三請求され、ファ…

『そうか、もう君はいないのか』〜雑誌に載ってモテる方法〜

紙面デビューが決まった。数十万部発行される媒体にである。 人物スナップの人員が足りなかったから会社の人にお願いされただけなのだが、デビューはデビューだ。私はそのコーナーに載る3人の1人に選ばれた。 世の中、全ての人に愛される人がいないのと同様…

『さくら』~超絶かっこいい振り方〜

愛人に間違われることがある。男友達の彼女に「第二夫人」とよく言われる。 もちろん本気で思っているわけではなく、それだけ仲がいいもんねというギャグなんだろうけど、そこに割と強い嫉妬心が含まれているのがちょっとこわい。 喫茶店で女の子と話してい…

『きりこについて』〜可愛いは作れる〜

「可愛いは作れる」レベルで「ハゲは隠せる」。大丈夫、そう信じて生きてきた。 たとえ剃りこみが強くても、てっぺんから髪の毛を伸ばしていけばM字は隠せる。 髪の毛の薄さが気になりだしてから、半年ほど髪の毛を伸ばしていた。その間、美容室には行って…

『ペンギン・ハイウェイ』~女の子との2ショットの取り方〜

世界一滞空時間の長い紙ヒコーキは、29.7秒飛んだらしい。4月のある晴れた日曜日、私は女の子を誘って広い公園に来た。「世界一飛ぶヒコーキを作ろう」という、ちびっこ向けイベントのための事前テストだ。 私たちが飛ばす場所を探していると、公園の端…

『ハチミツとクローバー』

「たかし、今話しかけてきた女の子って誰かわらかなかったでしょ」 大学の後期授業の初日、モテ師匠である亜門さんが笑いかけてきた。私はまさに謎の美女に話しかけられたばかりなのだ。そしてその美女は私のことを一方的に知っていて、なぜか私を友達だと思…

『涼宮ハルヒの憂鬱』~アニメ乳~

ライトノベルに親友を奪われてからひと月が経っていた。 UKロックとコーヒーとをこよなく愛し、飲み会を至高の喜びとしていたSが、アニメ表紙の小説をすすめてきたのがそもそもの始まりだ。 私ともう一人の友人Mは、アニメの絵の表紙を見て正直戸惑った…

『夜と霧』~シティボーイの前髪~

都会に引っ越した。なんというか、大分“シティ”だ。 買い物カゴの中に冷凍ハンバーグをこっそり入れられる嫌がらせをされたし、初めて入った定食屋では、OLのおねいさんが平日の昼間から一人ビールを飲んでいた。田舎ではまずないことだ。 だがそんなことよ…

『怒り』〜モテそうなのにね裁判〜

「モテそうだよね」と、一時期女の子に言われていたことがある。当時まだ亜門さんと仲良くなる前だった私は、普通に褒め言葉として受け取っていた。だが、いくらかの経験を経て、褒め言葉ではないと気づく。 私はそれが「でも、モテそうだよね」という、一種…

『僕が人形と眠るまで』〜30までに性欲ゼロ〜

27歳のとき、30までに性欲をゼロにしたいと思った。その時期2度ほどトラブルに巻き込まれていて、巻き込まれるのは俺に性欲があるからだという謎の理屈からだった。 しかし、性欲はそう簡単にはなくならない。私は人一倍女の子にモテたいのだ。そればっかり…

『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』

学生時代のとある冬、朝目覚めるのとほぼ同時に、女友達からこんなメールがきたことがあった。 「今すぐ共同玄関のロビーに来てください、早く!」 ねぼけまなこの僕がとぼとぼと共同玄関に行くと、 そこには何やら小さな箱と紙が置いてあった。紙には 「リ…

『花吹雪』~雨上がりのアスファルトが嫌いになりそうなエロティックな香り~

4階から降りるエレベーターの中で、ひたすら女性に胸を押し当てられていた。 背中にぐいっとめりこんでいる。饅頭だったら割れているレベルだ。 彼女はそれまで合コンで一緒だったメンバーの一人だった。普通なら喜ぶべき場面かもしれない、だがそれどころ…

『恋文の技術』~告白を成功させる待ち合わせの方法~

昔、テレビの街頭インタビューで「待ち合わせのとき、男の人にどんな座り方でいられたらキュンとしますか」という、今書いていても嘘なんじゃないかと思うような謎の質問があった。 選択式ではなかったのに、女子から圧倒的に人気の座り方があった。それは、…

『渇き。』〜蠱惑的な彼女〜

「蠱惑的」という言葉に出会った。 丁寧にルビがふってあったので、それが「こわくてき」と読むことを知り、続いて辞書で意味を調べると「人の心をひきつけ、惑わすさま」という意味だと知った。 瞬間、辞書の前で私の全身がビリビリっといった。なんと素敵…

『神様のボート』~事実には簡単に行きつくが、真実にはなかなか到達しえない~

※知的です。 私は男と2人でラブホテルに行ったことがある。事実そうなのだが、真実はそこから想像されるものとは少し違う。 あるとき、友達(男女)4人で飲んでいた。宿泊予定のホテルに手違いで泊まれなくなったこと、その日は入試か何かで他のホテルが全…

『とにかくうちに帰ります』~合コンの作法~

合コンには作法がある、と3回目で気づいた。私は過去4回、合コンに行ったことがある。一度目は25歳の時、あとの3回は26歳の時でそれ以来行っていない。単純に自分には向いていないと気づいたからだ。とにかくその3回目の合コンで、私は「合コンの作…

『花が咲く頃いた君と』〜女子に嫌われるタブー〜

めずらしく女の子に誘われて食事に出掛けていた。女の子はとても楽しそうだ。まだ付き合ってはいない。しかし私は長年の経験から、このあと部屋にお呼ばれすることになると確信していた。そんなときこそ注意が必要だ。どこにタブーがあるかわからないのだか…

『東京タワー』~東京という名の小宇宙(コスモ)~

「そういえばこの間○○くん東京にきたよ」 上京して8年になるMが電話口で言ってきた。東京には2度だけ行ったことがあるが、どうしても叶えられなかった夢がある。それは「東京タワー」を見ることだ。 「東京タワー」を題材にした小説は腐るほどある。今は…

『誓いじゃないけど僕は思った』~女子を釘づけにするかっこいいポーズの取り方~

「たかしさん、たかしさん大変です!」 業務後、楽しくおしゃべりしていた女の子が急に焦り出した。いったい何だというのだ。 「たかしさん出ちゃってます。“意図せずかっこいいポーズ”がでちゃってます」 そんな馬鹿な。私は自分のポーズを見た。 でちゃっ…

『家守綺譚』〜安西先生、バスケがしたいです〜

悪い癖というか、謎の特殊能力がある。それは「一度読んだ本の内容を異常なまでに覚えていること」だ。友人はそれを面白がってくれるので「おォ~っとっとォ、ベン・ベックマン」と急に振ってくる。私は間髪入れず「『ONE PIECE』の59巻」と叫び、…

『世界音痴』~悪魔のゲーム「ボーリング」~

やってきた。あの悪魔のゲーム「ボーリング大会」がやってきた。 職場の同期とその女友達8人で飲んでいたときのことだ。私は非・リア充生活にほんのひととき訪れたリア充っぽい雰囲気にいい気分で酔っていた。しかしその最中に、最年少の女の子(22)がい…

『貫かれた単純』〜15歳の煩悩〜

※下衆回です 「お前に俺の壁になってほしい」 高校1年生の昼休み、唐突に水本くんに言われた。今まさに机でお弁当を広げようとしていた私の手が止まる。なんだって? 私を“乗り越えるべき大きな壁”と見立てているのか? 「いや、お前の真反対の席に座ってる◯…

『キャベツ炒めに捧ぐ』~でも作るのは卵焼き~

男という生き物はムダに凝った料理を作りたがる。ミートソースでいいのにペペロンチーノにし、水炊きでいいのにもつ鍋にしたがる。あとチーズを多用したがる。もちろん全て私だ。女の子にはかっこつけたい。だが、こと一人分となると作るものが全然違う。庶…

『パレード』~桃子、180センチ〜

付き合って間もない女の子とカフェに行ったときのこと。 時計を見た彼女が「帰らなきゃ」と席を立ったので「そうだね、僕も桃子が……」と言いかけたら、困惑顔で「桃子って誰」と言われた。一瞬考えたが、家で育てている観葉植物に桃子と名付けていることを正…

『2.43』~男女8人一泊旅行~

コテージは2つ用意されていた。右が男で左が女(の子)。私はその日、女の子たちと一泊するという、神がかり的な幸運に恵まれていた。4対4。響きがよい。 夕暮れ時に川の散策を終えた私は、一人男部屋に戻って「あれ?」と思った。敷いていたはずの布団がな…