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三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

映画

『レ・ミゼラブル』~図書館の神様~

『レ・ミゼラブル』という物語のなかに、とても不幸な母娘が登場する。 母親であるファンティーヌは、公園の椅子に座っていた水知らずの優しそうなおかみさんに娘コゼットを預け出稼ぎに出掛けた。 コゼットの洋服代や薬代をおかみさんに再三請求され、ファ…

『怒り』〜モテそうなのにね裁判〜

「モテそうだよね」と、一時期女の子に言われていたことがある。当時まだ亜門さんと仲良くなる前だった私は、普通に褒め言葉として受け取っていた。だが、いくらかの経験を経て、褒め言葉ではないと気づく。 私はそれが「でも、モテそうだよね」という、一種…

【おすすめ映画⑥】蠱惑的な彼女

「蠱惑的」という言葉に出会った。 丁寧にルビがふってあったので、それが「こわくてき」と読むことを知り、続いて辞書で意味を調べると「人の心をひきつけ、惑わすさま」という意味だと知った。 瞬間、辞書の前で私の全身がビリビリっといった。なんと素敵…

『東京タワー』~東京という名の小宇宙(コスモ)~

「そういえばこの間○○くん東京にきたよ」 上京して8年になるMが電話口で言ってきた。東京には2度だけ行ったことがあるが、どうしても叶えられなかった夢がある。それは「東京タワー」を見ることだ。 「東京タワー」を題材にした小説は腐るほどある。今は…

『パレード』~桃子、180センチ〜

付き合って間もない女の子とカフェに行ったときのこと。 時計を見た彼女が「帰らなきゃ」と席を立ったので「そうだね、僕も桃子が……」と言いかけたら、困惑顔で「桃子って誰」と言われた。一瞬考えたが、家で育てている観葉植物に桃子と名付けていることを正…

『残穢』〜だいぶポップな怖い話〜

「部屋にある合わせ鏡を絶対に開けて寝てはだめよ」 亡くなった祖母に言われて以来17年間、私はそのいいつけを守っていた。たった1日だけそれを忘れた。 模様替えの最中だった私は、ベッドと壁の間を30センチほど開けて眠った。翌日そこに小棚を置くつ…

『ニシノユキヒコの恋と冒険』(第3回 スタパで恋は生まれるのか)

スタバにいるときの「話しかけてくるなオーラ」がすごいらしい。 一度、他部署に行ったら、先輩に「昨日スタバにいたでしょ。俺も20分くらい居たけどあんなに集中されたら話しかけられんわ」と笑われたことがある。そもそも気がつなかったし、私としては読…

【おすすめ映画⑤】チェスターコートの罠

やってしまった。オシャレをしてしまった。とんだミステイクだ。私は大都会の大通りで立ち止まる。通行人が迷惑そうにこっちを見てくる。だかそれどころではない、私は間違って“オシャレ”をしてしまったのだから。 その日の格好は、白のセーターにベージュの…

『ノルウェイの森』〜手っ取り早くモテる方法〜

友人に1人、美しい顔を持つ男がいた。大学生になって間もないころ、その男と2人で行動していた私は、女の子達から「美形の隣の人」という、漠然としている割に的確すぎる呼び方をされていた。 だがその男はとても陽気ないい奴で、いつも皆を笑わせていたので…

『人間失格』~おいしいお肉を食べに行こう~

かれこれ30分は経っている。女の子たちは少しがっかりした様子だ。そりゃそうだろう、男がバーベキューの火を付けられない致命的だ。せっかく夜の川べりに来たというのに。 男連中はまだいい。更に言えば、女の子たちもまだいい。がっかりするか、されるか…

【おすすめ映画 番外編①】狙われた街

もしあなたが、学校や会社をめちゃくちゃにしたいと思ったらどのような方法を取るだろうか。 暴力を振るう? 家族のような少数なら壊せるかもしれない。でも、何百何千といる場所で暴力を振るっても、圧倒的多数の前では逆に弾き飛ばされる。1人の直接的な暴…

【おすすめ映画④】アメリカよ、これが日本だ!

アメリカ大使館が、日本の大人気ドラマのエンディングで流れるダンス(逃げ恥ダンス)を踊り、YouTubeに投稿した。 私が「さすがアメリカは洒落てんなー」と言うと、友人が「今から日本が同じことをしても二番煎じになるからダメかもね。最初にやるから意味…

【おすすめ映画③】12月25日の朝。

朝目覚めると、熱は大分引いていた。前日はクリスマスイブだったというのに38度の高熱で寝込んでいたのだ。もう何年も前の話になる。 12月25日の朝。僕は卒論をするためにいつもの学食(の踊り場みたいなところ)へ向かった。よく友人と3人で勉強をし…

『沈黙』

第3ボタンまで開ける彼のことは、割と早い段階で気づいていた。当然といえば当然で、彼はテニスサークルの後輩だった。 知らない方も多いと思うが、テニスウェアのボタンは3つある。男は大抵1つ、暑い時は2つ開けていた(僕は「逆にカッコいい」という、…

【おすすめ映画②】大人の男女は目で語る

一時期、クリント・イーストウッド作品にはまっていた。『マディソン郡の橋』は、写真家の旅人(イーストウッド)と孤独を抱えた主婦(メリル・ストリープ)の不倫を描いた話だ。メリル・ストリープも大好きだった私は、迷わずツタヤで借りた。素晴らしかっ…

『そして生活はつづく』〜僕は平匡さんにはなれない〜

4年前、僕は平匡はんになりたかった。矛盾しているのはわかっている。4年前はまだ『逃げ恥』は放送されていない。でも、それが最も正確な表現だ。僕のなかでは少し――いや、かなり違うが、「星野源になりたかった」と言えば、ちょっとは理解してもらいやす…

『レヴォリューションNO.3』〜読書男子はモテるのか〜

昨今、読書男子なるものがモテるらしい。ただしイケメンに限る、という但し書き抜きで。それがもし本当なら大変なチャンスだ。本が好き過ぎて、司書になったのだから。私は早速、グーグルで「読書男子 モテる」と検索した(検索する時点でモテないよ、という…

【おすすめ映画①】忘れなければ、それは起こらなかった

皆さんは昨日の夜10時に何をしていたか覚えていますか。 3日前の晩御飯は。2年前の今日は何がありましたか。 人生はもう覚えてもいない出来事の連続でできています。もしかしたらほんの些細な出来事があなたの人生を決定的に――あるいは致命的に――変えて…