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三十路の図書委員、本棚から覗くモテ世界

30歳、独身、彼女なし。ややイケメン。この「やや」がやっかいだ。昨今、読書男子がモテるというけれど、クラスではドッチボールのうまい男子がモテていた。そんなこと小学生時代からわかってた。

『怒り』〜モテそうなのにね裁判〜

「モテそうだよね」と、一時期女の子に言われていたことがある。当時まだ亜門さんと仲良くなる前だった私は、普通に褒め言葉として受け取っていた。だが、いくらかの経験を経て、褒め言葉ではないと気づく。 私はそれが「でも、モテそうだよね」という、一種…

『僕が人形と眠るまで』〜30までに性欲ゼロ〜

27歳のとき、30までに性欲をゼロにしたいと思った。その時期2度ほどトラブルに巻き込まれていて、巻き込まれるのは俺に性欲があるからだという謎の理屈からだった。 しかし、性欲はそう簡単にはなくならない。私は人一倍女の子にモテたいのだ。そればっかり…

『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』

学生時代のとある冬、朝目覚めるのとほぼ同時に、女友達からこんなメールがきたことがあった。 「今すぐ共同玄関のロビーに来てください、早く!」 ねぼけまなこの僕がとぼとぼと共同玄関に行くと、 そこには何やら小さな箱と紙が置いてあった。紙には 「リ…

『花吹雪』~雨上がりのアスファルトが嫌いになりそうなエロティックな香り~

4階から降りるエレベーターの中で、ひたすら女性に胸を押し当てられていた。 背中にぐいっとめりこんでいる。饅頭だったら割れているレベルだ。 彼女はそれまで合コンで一緒だったメンバーの一人だった。普通なら喜ぶべき場面かもしれない、だがそれどころ…

『恋文の技術』~告白を成功させる待ち合わせの方法~

昔、テレビの街頭インタビューで「待ち合わせのとき、男の人にどんな座り方でいられたらキュンとしますか」という、今書いていても嘘なんじゃないかと思うような謎の質問があった。 選択式ではなかったのに、女子から圧倒的に人気の座り方があった。それは、…

【おすすめ映画⑥】蠱惑的な彼女

「蠱惑的」という言葉に出会った。 丁寧にルビがふってあったので、それが「こわくてき」と読むことを知り、続いて辞書で意味を調べると「人の心をひきつけ、惑わすさま」という意味だと知った。 瞬間、辞書の前で私の全身がビリビリっといった。なんと素敵…

『神様のボート』~事実には簡単に行きつくが、真実にはなかなか到達しえない~

※知的です。 私は男と2人でラブホテルに行ったことがある。事実そうなのだが、真実はそこから想像されるものとは少し違う。 あるとき、友達(男女)4人で飲んでいた。宿泊予定のホテルに手違いで泊まれなくなったこと、その日は入試か何かで他のホテルが全…

『とにかくうちに帰ります』~合コンの作法~

合コンには作法がある、と3回目で気づいた。私は過去4回、合コンに行ったことがある。一度目は25歳の時、あとの3回は26歳の時でそれ以来行っていない。単純に自分には向いていないと気づいたからだ。とにかくその3回目の合コンで、私は「合コンの作…

『花が咲く頃いた君と』〜女子に嫌われるタブー〜

めずらしく女の子に誘われて食事に出掛けていた。女の子はとても楽しそうだ。まだ付き合ってはいない。しかし私は長年の経験から、このあと部屋にお呼ばれすることになると確信していた。そんなときこそ注意が必要だ。どこにタブーがあるかわからないのだか…

『東京タワー』~東京という名の小宇宙(コスモ)~

「そういえばこの間○○くん東京にきたよ」 上京して8年になるMが電話口で言ってきた。東京には2度だけ行ったことがあるが、どうしても叶えられなかった夢がある。それは「東京タワー」を見ることだ。 「東京タワー」を題材にした小説は腐るほどある。今は…

『誓いじゃないけど僕は思った』~女子を釘づけにするかっこいいポーズの取り方~

「たかしさん、たかしさん大変です!」 業務後、楽しくおしゃべりしていた女の子が急に焦り出した。いったい何だというのだ。 「たかしさん出ちゃってます。“意図せずかっこいいポーズ”がでちゃってます」 そんな馬鹿な。私は自分のポーズを見た。 でちゃっ…

『家守綺譚』〜安西先生、バスケがしたいです〜

悪い癖というか、謎の特殊能力がある。それは「一度読んだ本の内容を異常なまでに覚えていること」だ。友人はそれを面白がってくれるので「おォ~っとっとォ、ベン・ベックマン」と急に振ってくる。私は間髪入れず「『ONE PIECE』の59巻」と叫び、…

『世界音痴』~悪魔のゲーム「ボーリング」~

やってきた。あの悪魔のゲーム「ボーリング大会」がやってきた。 職場の同期とその女友達8人で飲んでいたときのことだ。私は非・リア充生活にほんのひととき訪れたリア充っぽい雰囲気にいい気分で酔っていた。しかしその最中に、最年少の女の子(22)がい…

『貫かれた単純』〜15歳の煩悩〜

※下衆回です 「お前に俺の壁になってほしい」 高校1年生の昼休み、唐突に水本くんに言われた。今まさに机でお弁当を広げようとしていた私の手が止まる。なんだって? 私を“乗り越えるべき大きな壁”と見立てているのか? 「いや、お前の真反対の席に座ってる◯…

『キャベツ炒めに捧ぐ』~でも作るのは卵焼き~

男という生き物はムダに凝った料理を作りたがる。ミートソースでいいのにペペロンチーノにし、水炊きでいいのにもつ鍋にしたがる。あとチーズを多用したがる。もちろん全て私だ。女の子にはかっこつけたい。だが、こと一人分となると作るものが全然違う。庶…

『パレード』~桃子、180センチ〜

付き合って間もない女の子とカフェに行ったときのこと。 時計を見た彼女が「帰らなきゃ」と席を立ったので「そうだね、僕も桃子が……」と言いかたら、困惑顔で「桃子って誰」と言われた。一瞬考えたが、家で育てている観葉植物に桃子と名付けていることを正直…

『2.43』~男女8人一泊旅行~

コテージは2つ用意されていた。右が男で左が女(の子)。私はその日、女の子たちと一泊するという、神がかり的な幸運に恵まれていた。4対4。響きがよい。 夕暮れ時に川の散策を終えた私は、一人男部屋に戻って「あれ?」と思った。敷いていたはずの布団がな…

『猫道楽』~おいしい葉巻を吸いに行こう~

夜中に物音で目を覚ました。部屋の中に“何か”がいる。私は3か月前に同じ部屋で幽霊を見たばかりだった。やっとまたこの部屋で眠れるようになったというのに。 前回と違うところは金縛りにあっていないことだ。奇妙な出来事が起こり過ぎて少し感覚が麻痺して…

『残穢』〜だいぶポップな怖い話〜

「部屋にある合わせ鏡を絶対に開けて寝てはだめよ」 亡くなった祖母に言われて以来17年間、私はそのいいつけを守っていた。たった1日だけそれを忘れた。 模様替えの最中だった私は、ベッドと壁の間を30センチほど開けて眠った。翌日そこに小棚を置くつ…

『マチネの終わりに』(第4回 スタバで恋は生まれるのか)

遅番で会社に着いて早々、上司から声をかけられた。 「そういえば朝イチで女の子からお前に電話あったぞ」 「誰ですか」 「いや、それがジム『ビートル』の関係者っぽいんだけど、お前の名前は知らなかったんだよ。ただ、『身長が174センチくらいでスラッ…

『ニシノユキヒコの恋と冒険』(第3回 スタバで恋は生まれるのか)

スタバにいるときの「話しかけてくるなオーラ」がすごいらしい。 一度、他部署に行ったら、先輩に「昨日スタバにいたでしょ。俺も20分くらい居たけどあんなに集中されたら話しかけられんわ」と笑われたことがある。そもそも気がつなかったし、私としては読…

【おすすめ映画⑤】チェスターコートの罠

やってしまった。オシャレをしてしまった。とんだミステイクだ。私は大都会の大通りで立ち止まる。通行人が迷惑そうにこっちを見てくる。だかそれどころではない、私は間違って“オシャレ”をしてしまったのだから。 その日の格好は、白のセーターにベージュの…

『ノルウェイの森』〜手っ取り早くモテる方法〜

友人に1人、美しい顔を持つ男がいた。大学生になって間もないころ、その男と2人で行動していた私は、女の子達から「美形の隣の人」という、漠然としている割に的確すぎる呼び方をされていた。 だがその男はとても陽気ないい奴で、いつも皆を笑わせていたので…

『変身』~二重まぶたになる方法〜

「整形した?」と久しぶりに会った女の子に言われた。「してないよ」と私が言うと、しばらくして「というか整形したよね?」と聞いてくる。私は定期的に人から――それも決まって女の子から――「整形した?」と聞かれる。 別にどっちでもいいのだが、整形はして…

『種まく人』~“気持ち悪い”のボーダーライン~

「十中八九そうだと思うよ」と私が答えると、女の子が急に笑い出した。 「前から思ってたんだけど、話し言葉で『十中八九』って使う人たかしさんしかいないよ」という。そうなのか。 また暫くのち、別の女の子から質問されたので、 「いや、先端に触れたくら…

『人間失格』~おいしいお肉を食べに行こう~

かれこれ30分は経っている。女の子たちは少しがっかりした様子だ。そりゃそうだろう、男がバーベキューの火を付けられない致命的だ。せっかく夜の川べりに来たというのに。 男連中はまだいい。更に言えば、女の子たちもまだいい。がっかりするか、されるか…

『化物語』~“先入観”という自分の壁を越えよ~

トイレから大学のパソコン室に戻ると、デスクトップがロリコンのアニメキャラに変わっていた。40台ほどあるパソコン室にいた学生たちが侮蔑の眼差しを送ってくる。やられた。あいつだ。あの男しかいない。 その男は、それまで「なんとなく好青年風」だった…

『インザ・ミソスープ』~ゴミ奥様とゴミ男~

“男の背中”はモテるらしい。そこここで聞くし、某SNSには「男の背中」というコミュニティに1万人以上参加している。これはもう鍛えるしかない。家の近くの「ゆらめき公園」に懸垂ができる場所があると知っていた私は早速行ってみた。 夕方5時に薄暗くな…

『マリアビートル』〜悪い噂ばかりじゃなく、いい噂(ニュース)も本人に伝わる世の中でありたい〜

その男はおそらく東京に住んでいて、30歳前後の独身だ。ちょっと真面目なロマンチストで、とにかく女の子にモテたがっている。私が買った中古の4WDの前の持ち主はそんな男だ。思考回路が似ているからよく分かる。そしてその男の渾身の小ボケに、私はまんまと…

『ソークラテースの弁明』〜知的男子は結局モテる、らしい〜

女の子から電話がかかってきた。その女の子からは定期的に連絡が来る。内容は雑談のみ。私は読書家だが、彼女は読書をしないので本の話は出ない。 その日たまたま「最近も本読んでるの?」と彼女が聞いたのは、単なる気まぐれだったと思う。多分「今日はいい…

【おすすめ映画 番外編①】狙われた街

もしあなたが、学校や会社をめちゃくちゃにしたいと思ったらどのような方法を取るだろうか。 暴力を振るう? 家族のような少数なら壊せるかもしれない。でも、何百何千といる場所で暴力を振るっても、圧倒的多数の前では逆に弾き飛ばされる。1人の直接的な暴…

『つよがり』〜最強音楽プレイリスト「しっぽり」〜

急に姉とその友達(女性)を居酒屋に送ることになった。お願いをされてから女性が家に来るまで5分もない。「突発的なときにこそ男の真価が問われる」と亜門さんも言っていた。 女性が来る前に、15メートルほど先の駐車場に車を取りに行く。車に乗り込んだ直…

『東京タラレバ娘』〜好きな人に髪の毛を切ってと言われたらどうしますか〜

『東京タラレバ娘』の主人公3人組(33)の1人が、好きな男に「髪型を変えて欲しい」と言われて、「若い頃ならしてたかもだけどもうしねーよ、ないわー」と3人組で飲むくだりがある。 私はそのマンガでいうところの“若い頃ならしていたやつ”を完璧に体現して…

『誰がために鐘は鳴る』

大晦日です。除夜の鐘をつかなければなりません。私はこの2年、友人と除夜の鐘をついて年を越しています。一昨年は432回目を、去年は173回目をつきました。一般的に、鐘は108つと決まっているようですが、若いお坊さんが「本当は108つですけど…

『コルセット』~あなたは昔の出来事をどれだけ覚えていますか?~

何の変哲もない1枚の写真がある。写っているのは葉の落ちた4本の木だ。でも僕にとってはとても思い入れのある写真なのだ。4年住んだアパートの小窓から毎日見ていた風景なのだから。 4本ならぶ木の、右から2番目の形が特徴的でよくその絵を描いていた。…

『ハーメルンの笛吹き男』~もらいシャボン~

ある晴れた日曜日。私はほとほと困り果てていた。公園に連れて行ったちびたちがあるものに夢中で帰ろうとしないのだ。公園に着いてかれこれ2時間半になる。4歳と2歳のちびたちは、見知らぬ女の子(10歳くらい)が吹くシャボン玉の虜だった。 女の子から…

『男の作法』モテの極み~モテ師匠~

過去25回のブログで、私のモテエピソードを紹介してきたわけだが、今回はそんな私のモテ師匠である亜門さん(男)について書きたいと思う。 家でだらだらしていたときの話だ。まだ二十歳そこそこの私は何の気なしに亜門さんにこう質問した。 「亜門さんて今…

【おすすめ映画④】アメリカよ、これが日本だ!

アメリカ大使館が、日本の大人気ドラマのエンディングで流れるダンス(逃げ恥ダンス)を踊り、YouTubeに投稿した。 私が「さすがアメリカは洒落てんなー」と言うと、友人が「今から日本が同じことをしても二番煎じになるからダメかもね。最初にやるから意味…

『トリツカレ男』〜49.9〜

誰しも何かに悩んでいる。悩みは個別的なものなので、人と比べて卑下したり、あるいは憤る必要はないだろう。もしあなたの友人が悩みを打ち明けてきたら、きっとあなたは彼ーーあるいは彼女ーーに寄り添うはずだ。だが、その中で唯一、相手を敵に回す悩み相…

【おすすめ映画③】12月25日の朝。

朝目覚めると、熱は大分引いていた。前日はクリスマスイブだったというのに38度の高熱で寝込んでいたのだ。もう何年も前の話になる。 12月25日の朝。僕は卒論をするためにいつもの学食(の踊り場みたいなところ)へ向かった。よく友人と3人で勉強をし…

『雨があがるようにしずかに死んでゆこう』(第2回 スタバで恋は生まれるのか)

2014年。スタバ。私は友人と真剣に語り合っていた。当初は八木重吉の詩集『雨があがるようにしずかに死んでゆこう』の素晴らしさについて話していたはずなのだが、いつの間にか、「どうして俺たちはモテないのか」に話がすり替わっていた。すり替えたの…

『檸檬』~「城のある町にて」~

――ほんの些細なことがその日の幸福を左右する――とは、確か小説『檸檬』を収録した短編集に書かれていたように思う。その本を読んでから、私は毎日丁寧に暮らそうと決めた。 やっていることはシンプルだ。寝る直前に間接照明を消し、メガネをコトリと置き、ス…

『麦の海に沈む果実』~光源氏計画~

15歳の女子高生はおずおずと車に乗ってきた。激しい雨の日だった。仕事を終えた私は図書館を施錠しようとしていた。5分ほど前に退社したはずの女性同僚が、裏口から出た私のもとに駆け寄ってくる。 「たかしさん。女子高生が図書館の自動ドア前に立ってい…

『自分をいかして生きる』

花を一輪、女性に贈った。確か赤のガーベラだったと思う。花言葉は「チャレンジ」。これから退院する彼女は一人暮らしに挑戦しなければならない。応援の意味も込めて選んだが、ガーベラは花言葉が沢山あるし、花言葉を調べられても邪推――と言ったら失礼だが…

『キッチン』

青豆ごはんは食べたことがなかった。 それどころか青豆を「あおまめ」と読むのか、それとも小豆(あずき)みたいに固有の読み方があるのかさえしらなかった。 もともと食に頓着のない私は、食べるものにももちろん無頓着。「毎日の食事であなたの身体はでき…

『とべバッタ』〜あのパンツ〜

こんな話がある。 くさむらに、一匹のバッタがいた。まわりにはカマキリや蜘蛛、カエルなどが沢山いて、バッタは食べられないようにいつもこそこそ暮らしていた。でもある日、そんな自分がいやになった。バッタは大きな岩の上によじ登り、大胆にも日向ぼっこ…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(第1回 スタバで恋は生まれるのか)

スタバという、いわゆるモテ男女が好む場所に行ってみた。私は生粋のタリーズ派なのだが、引っ越した家のすぐ近くにスタバがあったのだ。しかし私はカフェインが割と苦手。大量に摂取すると夜眠れなくなる。 初めてお店に行ったときカウンターにいたのはボー…

『沈黙』

第3ボタンまで開ける彼のことは、割と早い段階で気づいていた。当然といえば当然で、彼はテニスサークルの後輩だった。 知らない方も多いと思うが、テニスウェアのボタンは3つある。男は大抵1つ、暑い時は2つ開けていた(僕は「逆にカッコいい」という、…

【おすすめ映画②】大人の男女は目で語る

一時期、クリント・イーストウッド作品にはまっていた。『マディソン郡の橋』は、写真家の旅人(イーストウッド)と孤独を抱えた主婦(メリル・ストリープ)の不倫を描いた話だ。メリル・ストリープも大好きだった私は、迷わずツタヤで借りた。素晴らしかっ…

『そして生活はつづく』〜僕は平匡さんにはなれない〜

4年前、僕は平匡はんになりたかった。矛盾しているのはわかっている。4年前はまだ『逃げ恥』は放送されていない。でも、それが最も正確な表現だ。僕のなかでは少し――いや、かなり違うが、「星野源になりたかった」と言えば、ちょっとは理解してもらいやす…